完成直前の仕様変更を乗り越えた大型施設 そこには「お客様目線」のこだわりがあった

完成間近の仕様変更には、入居者様にとっての「住まいの充実」だけでなく、働くスタッフの目線で必要な設備や配置を見直し、「働きやすさの充実」をも実現したいという事務長の想いがあった。

そんなお客様の要望を叶えるべく、実現可能な方法を考え抜く現場監督、仕様変更になっても金額を変えずに誠実な仕事をしようとする川村工業の担当者、「なんとかしよう」と力を貸してくれる職人たちが力を合わせたのだった。

先を読んだ行動と、手を抜かない姿勢

川村工業の仕事は、請負元の建設会社と設計図をチェックすることからはじまる。建築において最も重要なのは「計画」の段階だ。建設物は一度着工すると、途中で部屋を増やすことや、配置を変えるといった仕様変更は難しい。だからこそ計画の段階から関わり、設備のプロとして工程や設計に無理がないか、改善点はないかを一緒に検討していく。

川村工業のポリシーは、この時に決めた約束事を必ず守ること。だから納期通りにお客様へ引き渡せるよう進捗を管理し、追加費用が掛からないようひとつひとつの施工にこだわる。

「なにかあった時も逐一連絡をくれるから仕事がスムーズに進む」と請負元の建築会社の方は語る。

「当たり前」のことを「当たり前」にやり続けることは、意外と難しい。しかし、コツコツと積み上げた先には、お取引先との信頼関係が生まれていく。

先を読んだ行動と、手を抜かない姿勢

できることなら立ち向かう、それが誠実な姿勢

できることなら立ち向かう、それが誠実な姿勢

施設完成間近に迫ったある日、事務長から焦った声で電話が入った。
―「今から洗い場をひとつ増やすことはできないでしょうか」

話を訊くと、働くスタッフの導線を考えると「洗い場」の数が足らないことに気づいたのだと言う。衛生設備は介護施設の運営に大きく関わる問題。「無理は承知のお願いですが、スタッフに申し訳なくて…」声からは困り果てた様子が伝わる。壁を取り壊して行う大掛かりな再工事が必要になるご要望だったが、現場監督はすぐに川村工業に連絡を入れた。

「力を貸して欲しい。予算と工程の調整はなんとか考えるから」

「…!わかりました」

連絡を受けた担当者はすぐに施工図を引きはじめた。納期に間に合うかはギリギリ。それでも関わる全員が「なんとかする」と心に決めていた。

幸運にも、要望の箇所は近くに配管が通っていたため変更できることが分かった。急な追加工事にも関わらず作業を快諾してくれた職人達の協力もあり、納期内に施設は完成。現在、追加された“洗い場”は毎日フル稼働で施設を支えている。「おかげで助かっています。もし無かったらと思うと…」事務長はそう語る。

管工業が扱う“水”や“空気”は生活に密接に関わるからこそ、小さな違いが「暮らしやすさ」を大きく変える。だからこそ川村工業は頂いた要望に柔軟に対応する姿勢を大切にしてきた。しかし、建物は一人では決して建てられない。職人や現場監督との協力が必要不可欠だ。

創業以来、相手に真摯に、仕事に誠実に向き合う姿勢を貫き続けた結果、「川村工業の皆さんが困っているなら、断れない」とまで言ってくれる協力会社の職人さん達や、共にお客様目線で建設を志す現場監督が川村工業の隣にいる。これが大きな財産であり、完成間近の急な仕様変更を乗り越えることができた最大の理由だ。